研究グループの目的
小児救急・集中治療を専門領域まで昇華
小児医療の世界において、小児救急、小児集中治療はわが国における歴史が浅い分野になります。しかし、それでも明確にその存在意義があると信じて、われわれは日々子どもたちと向き合っています。
大学病院という専門家集団の中で小児救急・集中治療を専門領域まで昇華させることが最初の目標であり、チームのメンバーが4名まで増え、様々な診療科、他グループから対応を依頼され信頼を得ており、少しずつその目標は達成へ向かっています。
できる限りミニマムな治療
普段は小児病棟総合チームの一員として活動しており、主に感染症、けいれん、呼吸不全、意識障害などの対応をこなしています。ICU管理を必要とする重症例は年間20例前後の状況が続いています。
ICUに入れば、人工呼吸管理、血液浄化療法、NO吸入療法、ECMOなどあらゆる特殊治療を駆使して集中治療を行いますが、できる限りミニマムな治療で回復することを目指し、機を逸さない丁寧な診察、評価にこそ重点を置いています。
臨床のみならず医学的な部分での専門性を確立していくことも求められていると考えています。それゆえ、メンバーそれぞれが医学博士号取得に向けて、着々と研究を進めております。
小児科専攻医をはじめ若手医師の成長のため、シミュレーション教育や勉強会、学会発表・論文作成の支援なども行っています。医療機関ネットワークには長年参画し、消費者庁・国民生活センターとも連携し、事故予防へも注力しています。
より良い小児医療
北陸、日本海側にはPICU(Pediatric Intensive Care Unit)が存在しません。しかし、当院では先天性心疾患の外科対応を数多く行っていることから、ICUはじめコメディカルスタッフは重症乳幼児対応に慣れており、安心して任せられます。
また、われわれは1例1例を丁寧に診療する技術を日々磨いており、それゆえ新たな疾患、新たな治療を発見、経験することは決して少なくありません。これまでも地方大学から新たな知見を発信できることを証明してきました。そのような経験をもとに、各学会における委員会活動にも積極的に関与し、国内の小児医療発展にも寄与する意気込みで取り組んでいます。
全国の小児救急・集中治療の仲間とも日頃から情報交換、連携を継続し、より良い小児医療を模索しています。
生命危機に陥った子どもたちが見逃されないようわれわれ小児救急・集中治療グループが全方位で子どもたちを見守り、ひとたび重症化の兆候を察知したら、どの分野よりも速くかつ冷静に対応し、救命することを目指しています。そして、ともに歩んでくれる仲間を随時募集しています。